はじめに:Midjourney V1で動画制作が変わる
動画編集を学習中の皆さん、お疲れ様です!2025年6月18日にMidjourneyから待望の動画生成AIモデル「V1」がリリースされました。これまで画像生成のみだったMidjourneyが、ついに動画制作の分野にも参入したのです。
この記事でわかること:
- Midjourney V1の基本的な動画化方法
- 実際の操作手順(画面キャプチャ付き)
- 効果的なプロンプトの書き方
- 他ツールとの併用テクニック
- 料金体系と最適なプラン選択
- よくあるトラブルと解決法
動画制作初心者の方でも理解できるよう、専門用語は最小限に抑えて解説していきます。
Midjourney V1とは?動画生成の新時代
V1の基本機能と特徴
V1は「Image-to-Video(画像から動画)」の生成が可能なモデルで、Midjourneyで通常通り画像を生成し、「Animate」ボタンを押すことで画像に動きをつけられます。
V1の主な特徴
項目 | 仕様 |
---|---|
動画長さ | 初回:5秒、最大延長後:21秒 |
生成方式 | Image-to-Video(画像から動画) |
解像度 | 480p(Standard Definition) |
生成本数 | 1回につき4本の動画 |
延長回数 | 最大4回(1回あたり4秒延長) |
他社動画生成AIとの比較
現在の動画生成AI市場には多くの競合があります:
主要競合サービス比較表
サービス名 | 強み | 月額料金 | 特徴 |
---|---|---|---|
Midjourney V1 | 画像品質の高さ | $10〜 | 画像生成からのシームレス移行 |
OpenAI Sora | 長尺動画生成 | $200〜 | 最大20秒の高品質動画 |
Runway Gen-3 | プロ向け機能 | $15〜 | カメラワーク制御が詳細 |
Pika Labs | 手軽さ | $10〜 | 初心者向けインターface |
動画生成の価格は画像生成の約8倍かかりますが、「動画1秒あたりが画像1枚分のコストに相当し、市場価格と比べて25倍以上も安価」とMidjourneyは発表しています。
【基本編】Midjourney V1で動画を作る方法
ステップ1:事前準備
動画生成を始める前に、以下を準備しましょう。
必要なもの
- Midjourneyの有料プラン(月額$10以上)
- 動画化したい画像(Midjourney生成 or 外部画像)
- Webブラウザ(スマホでも可能)
注意点
- 動画生成は現在Web版のみで提供
- Discordでは利用不可
- 無料プランでは動画生成できません
ステップ2:Web版Midjourneyにアクセス
- 公式サイトへアクセス
- midjourney.comにアクセス
- 「Continue with Discord」でログイン
- Create画面に移動
- トップページから「Create」をクリック
- 画像生成またはアップロード画面が表示
ステップ3:画像の準備
方法A:新しく画像を生成する場合
プロンプト例:
"A beautiful sunset over the ocean, waves gently moving, peaceful atmosphere, cinematic lighting"
方法B:既存画像をアップロードする場合
- 「Upload Image」をクリック
- 動画化したい画像を選択
- アップロード完了を待つ
画像選びのコツ
- 動きのある要素が含まれている画像が効果的
- 水、煙、髪の毛、衣服などは動画化しやすい
- 人物の表情変化も美しく表現される
ステップ4:動画生成の実行
基本的な動画生成手順
- Animateボタンをクリック
- 画像下部に表示される「Animate」をクリック
- 動画設定の選択
- Auto(自動): AIが自動で動きを判断
- Manual(手動): テキストで動きを指定
- モーション強度の設定
- Low Motion: カメラがほぼ静止して被写体がゆっくりと動く
- High Motion: 被写体とカメラがよく動く
- 生成開始
- 設定完了後「Generate」をクリック
- 数分で4本の動画が生成される
【応用編】プロンプトで動画品質を向上させる
効果的な動画プロンプトの書き方
基本構文
[主体] + [動作] + [背景/環境] + [カメラワーク] + [スタイル指定]
実例:優秀なプロンプト集
良い例1:自然系
"Ocean waves gently crashing on sandy beach, seagulls flying overhead, soft morning light, slow camera pan"
良い例2:人物系
"Young woman walking through flower field, long hair flowing in wind, golden hour lighting, slight camera movement"
良い例3:ファンタジー系
"Dragon flying through misty mountains, wings slowly flapping, magical particles floating, cinematic camera work"
プロンプト改善のポイント
動きを表現する重要なキーワード
カテゴリ | 効果的なワード |
---|---|
水の動き | flowing, rippling, cascading, gentle waves |
風の表現 | swaying, fluttering, dancing, drifting |
光の演出 | glowing, shimmering, twinkling, soft lighting |
カメラワーク | slow pan, gentle zoom, subtle movement |
避けるべき表現
- 急激な動き(sudden, fast, quick)
- 複雑すぎる動作の組み合わせ
- 矛盾する指示(同時に複数の方向への動き)
【延長機能】21秒の長尺動画を作成する方法
動画延長の基本手順
生成された動画は最大4回まで、1回あたり4秒ずつ延長することが可能で、最長で21秒の動画を作成できます。
延長方法の選択
- Extend Auto(自動延長)
- 元のプロンプトを維持して自動延長
- 一貫性の高い動画が作成される
- 初心者におすすめ
- Extend Manual(手動延長)
- 新しいプロンプトで動きを変更可能
- より創造的なストーリー展開
- 上級者向け
延長時のプロンプト戦略
継続性を保つコツ
延長用プロンプト例:
1回目:「camera slowly moves closer to subject」
2回目:「lighting gradually becomes warmer」
3回目:「background elements start to move gently」
4回目:「scene fades to peaceful conclusion」
各段階での注意点
延長回数 | ポイント | 推奨プロンプト |
---|---|---|
1回目 | 基本動作の継続 | 元の動きを維持 |
2回目 | 微細な変化を追加 | カメラワークの調整 |
3回目 | 環境要素の動き | 背景の動的要素 |
4回目 | クライマックス演出 | 感情的な締めくくり |
料金体系と最適なプラン選択
各プランの動画生成能力
動画生成機能は、最も安価な「Basic」プラン(月額10ドル)でも利用可能ですが、ひと月あたり画像200枚分程度の生成上限が設けられています。
プラン別比較表
プラン名 | 月額料金 | 動画生成上限 | Relaxモード | おすすめ用途 |
---|---|---|---|---|
Basic | $10 | 約25本(200枚分) | × | 動画制作の学習・試験的利用 |
Standard | $30 | 約115本(900枚分) | × | 個人クリエイター |
Pro | $60 | 無制限(Relax) | ○ | プロ・小規模事業者 |
Mega | $120 | 無制限(Relax) | ○ | 大規模制作・チーム利用 |
コストパフォーマンスの計算
動画1本あたりのコスト計算
- Basic: $10 ÷ 25本 = $0.4/本
- Standard: $30 ÷ 115本 = $0.26/本
- Pro: Relaxモード使用時は実質無制限
推奨プラン選択基準
- 学習目的: Basicプラン
- 副業・趣味: Standardプラン
- 本格制作: Proプラン以上
他ツールとの組み合わせ活用法
Midjourney + 外部動画編集ソフト
推奨ワークフロー
- Midjourney V1で素材生成
- 5〜21秒のベース動画を作成
- 複数パターンで素材を用意
- 動画編集ソフトで仕上げ
- 初心者向け: Filmora、DaVinci Resolve
- 中級者向け: Adobe Premiere Pro
- 上級者向け: After Effects
- 編集での改善点
- 音楽・効果音の追加
- 色調補正とグレーディング
- トランジション効果
- テキストやロゴの挿入
他社動画生成AIとの併用
効果的な組み合わせパターン
1次生成 | 2次加工 | 用途 |
---|---|---|
Midjourney V1 | Runway Gen-3 | より複雑な動きの追加 |
Midjourney V1 | Stable Video | 長尺動画への延長 |
Midjourney V1 | CapCut | 手軽な編集・SNS投稿 |
実践的な動画制作プロジェクト例
プロジェクト1:SNS用ショート動画
目標: Instagram Reels用の縦型動画
- 画像生成
プロンプト: "Beautiful café interior, morning light streaming through window, steam rising from coffee cup, cozy atmosphere --ar 9:16"
- 動画化設定
- Motion: Low
- Style: Auto
- 延長: 2回(計13秒)
- 後処理
- 音楽追加(著作権フリー)
- テキストオーバーレイ
- ハッシュタグ最適化
プロジェクト2:商品紹介動画
目標: ECサイト用の商品動画
- 商品画像の準備
プロンプト: "Elegant wristwatch on marble surface, professional photography lighting, luxury ambiance, subtle reflections"
- 動画化戦略
- 1回目: 商品全体をゆっくり回転
- 2回目: 細部にズームイン
- 3回目: ライティング効果を強調
- 完成度向上
- ブランドロゴの挿入
- 価格情報のテロップ
- CTA(Call to Action)の追加
トラブルシューティング
よくある問題と解決法
問題1: 動画の動きが不自然
原因
- プロンプトが曖昧
- 画像自体に動きにくい要素
解決法
- より具体的な動きを指定
- 背景に動的要素を含む画像を選択
- Low Motionで微細な動きから始める
問題2: 生成に時間がかかりすぎる
原因
- サーバーの混雑
- 複雑すぎる指示
解決法
- ピーク時間(日本時間夜)を避ける
- プロンプトをシンプルに
- Relaxモード利用(Pro以上)
問題3: 期待した動画にならない
原因
- プロンプトと画像の不一致
- モーション設定が不適切
解決法
- 画像とプロンプトの整合性確認
- High/Low Motionの使い分け
- 複数パターンで検証
エラーメッセージ対応表
エラー内容 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
“Content not eligible” | 著作権物の検出 | オリジナル画像使用 |
“GPU limit reached” | 生成上限到達 | 時間をおいて再試行 |
“Invalid image format” | 対応外フォーマット | JPG/PNG形式に変換 |
今後のアップデート予測と対策
Midjourney V1の開発ロードマップ
デビッド・ホルツCEOは、V1は「リアルタイムのオープンワールドシミュレーションが可能なAIモデルの構築」という最終目標に向けたステップと述べています。
予想される今後の機能追加
- テキストから直接動画生成(Text-to-Video)
- より長尺な動画対応(60秒以上)
- 4K解像度への対応
- リアルタイム生成機能
- 3D空間での動画生成
学習継続のための準備
スキルアップのロードマップ
- 初級段階(1-2ヶ月)
- 基本的な動画生成をマスター
- プロンプト作成技術の向上
- 各種設定の理解
- 中級段階(3-6ヶ月)
- 他ツールとの連携習得
- ストーリーテリング技術
- ブランディング動画制作
- 上級段階(6ヶ月以上)
- 商業レベルの動画制作
- クライアントワーク対応
- 新機能への迅速な適応
まとめ:Midjourney V1で動画制作の新時代へ
Midjourney V1の登場により、動画制作の敷居は大幅に下がりました。画像生成で培われた高い品質を動画でも実現できる点が最大の魅力です。
この記事のポイント整理
✅ 基本操作: Web版での画像から動画への変換 ✅ 料金体系: 月額$10から利用可能、用途に応じたプラン選択 ✅ 品質向上: 効果的なプロンプト作成と設定最適化 ✅ 延長機能: 最大21秒までの長尺動画制作 ✅ 応用活用: 他ツールとの組み合わせでプロレベルの動画制作
初心者の方へのアドバイス
- まずはBasicプランで基本操作に慣れる
- シンプルなプロンプトから始めて徐々に複雑化
- 他のクリエイターの作品を参考に学習
- 継続的な実践で技術向上を図る
動画制作の世界は日々進化しています。Midjourney V1を活用して、あなただけの魅力的な動画コンテンツを作成してみてください。
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この記事は2025年6月の情報に基づいて作成されています。最新の機能や料金については公式サイトをご確認ください。
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