はじめに:動画編集に必要な画像編集スキルとは
動画編集を学習している皆さんにとって、画像編集ソフトは欠かせないツールです。サムネイル作成、テロップデザイン、素材の加工など、動画制作において画像編集スキルは必須となっています。
結論:フォトショップの買い切り版(CS6)は2012年で販売終了しており、現在購入できるのはサブスクリプション版のみです。しかし、動画編集者には様々な代替ソフトが存在し、買い切り版を求める方にも最適な選択肢があります。
1. フォトショップ買い切り版の現状
1-1. Photoshop CS6(最後の買い切り版)の販売終了
Adobe社が販売していた最後の買い切り版「Photoshop CS6」は2012年にリリースされ、2017年に販売が完全終了しました。現在では以下の状況となっています:
項目 | 詳細 |
---|---|
販売状況 | 2017年に販売終了 |
サポート期限 | 2014年6月にサポート終了 |
新規インストール | 2023年2月より新規再インストール不可 |
対応OS | 最新のmacOSでは起動不可 |
1-2. CS6を購入すべきでない理由
- 機能の古さ:2012年発売の旧型Photoshopは機能が古く、最新のAI機能は使えません
- 互換性問題:新しいファイル形式(WebPなど)に対応していない
- セキュリティリスク:アップデートが提供されないため脆弱性が残る
- サポート終了:Adobe CS6のサポートは2014年6月で終了しており、不具合が起きても自己責任
2. 現在購入可能な買い切り版:Photoshop Elements
2-1. Photoshop Elements 2024の特徴
現在販売されているPhotoshopの買い切り版はPhotoshop Elements 2024です。動画編集者にとって重要な機能を以下にまとめました:
機能分類 | Photoshop Elements | 通常のPhotoshop |
---|---|---|
価格 | 19,580円(3年間ライセンス) | 28,480円/年 |
AI機能 | AI技術「Adobe Sensei」搭載 | 最新AI機能完備 |
基本編集 | ○ | ○ |
レイヤー機能 | 制限あり | フル機能 |
動画編集 | × | 限定的 |
CMYK対応 | × | ○ |
2-2. Elements特有の初心者向け機能
動画編集初心者に最適な理由:
- ガイド付き編集:62種類のガイド付き編集機能を搭載し、複雑なエフェクトも簡単に適用可能
- AI自動選択:ワンクリックで被写体を自動選択し、背景の置き換えや不要部分の除去が可能
- テンプレート豊富:動画のサムネイル作成に便利なテンプレートが多数搭載
3. 動画編集者向け:サブスクリプション版フォトショップの魅力
3-1. Adobe Creative Cloudの料金体系
動画編集者には以下のプランがおすすめです:
プラン名 | 月額料金 | 含まれるソフト | 動画編集者への適性 |
---|---|---|---|
フォトプラン | 2,380円 | Photoshop + Lightroom | ★★★☆☆ |
単体プラン | 2,728円 | Photoshopのみ | ★★★★☆ |
コンプリートプラン | 6,480円 | 全Adobe製品 | ★★★★★ |
3-2. サブスク版のメリット
買い切り版と比較した際のサブスク版のメリットは以下の通りです:
- 常に最新機能:生成AI「ジェネレーティブ塗りつぶし」などの最新機能が追加料金なしで利用可能
- マルチデバイス対応:PC2台 + iPad版が利用可能
- クラウド連携:他のAdobe製品との連携がスムーズ
- 定期サポート:技術サポートが継続的に受けられる
4. 動画編集者におすすめ:買い切り版代替ソフト
4-1. 有料買い切り版ソフト
Affinity Photo 2
Affinity Photoは、フォトショップに匹敵する総合的な画像エディタとして、急速に人気を集めています
項目 | 詳細 |
---|---|
価格 | デスクトップ版:10,400円、iPad版:2,700円 |
特徴 | 非破壊編集、PSD互換 |
動画編集適性 | サムネイル・テロップ作成に最適 |
無料体験 | 6ヶ月間無料体験可能 |
PhotoDirector 14 Ultra
PhotoDirector 14 Ultra:買い切り版(ダウンロード版 / パッケージ版)
- 特徴:動画編集者向けの画像編集に特化
- AI機能:被写体認識、背景除去など
- 価格:買い切り版とサブスク版を選択可能
4-2. 無料代替ソフト
GIMP(GNU Image Manipulation Program)
GIMP(GNUImage Manipulation Program)は、無料で使えるオープンソースの画像エディタで、多くのプレミアムソフトに匹敵する豊富なツールを提供
動画編集者におすすめの理由:
- PSDファイルが開けるのはもちろん、TIFF、PNG、EXR、RGBE対応編集可能
- レイヤー機能完備
- 豊富なチュートリアル動画が存在
Photopea
ブラウザ上で動作するPhotoshop互換エディタ:
- インストール不要
- PSDファイル完全対応
- 動画編集の合間に手軽に画像編集可能
5. 動画編集ワークフローに最適な画像編集ソフトの選び方
5-1. 用途別おすすめソフト
用途 | 推奨ソフト | 理由 |
---|---|---|
サムネイル作成 | Canva、Figma | テンプレート豊富、動画サイズ対応 |
テロップデザイン | Photoshop、Affinity Photo | 高精度文字編集 |
素材加工 | GIMP、Photoshop | 高度な合成・編集機能 |
簡単レタッチ | Photoshop Elements | 初心者向けガイド機能 |
5-2. 予算別推奨パターン
月額予算3,000円以下
- Photoshop Elements(買い切り) + 無料ソフト(GIMP)の組み合わせ
月額予算3,000円〜6,000円
- Adobe フォトプラン または Photoshop単体プラン
月額予算6,000円以上
- Adobe Creative Cloud コンプリートプラン(動画編集ソフトも含む)
6. 動画編集初心者が押さえるべき画像編集の基本
6-1. 必須スキル一覧
- 基本操作
- レイヤーの概念理解
- 選択ツールの使い方
- 色調補正の基本
- 動画制作特有のスキル
- 16:9アスペクト比での作業
- YouTube/TikTok等のプラットフォーム別サイズ対応
- 動画との色味統一
6-2. 学習リソース
- 公式チュートリアル:各ソフトの公式サイト
- YouTube:「フォトショップ 初心者」で検索
- 書籍:ソフト別の入門書を活用
7. よくある質問(FAQ)
Q1: 動画編集メインなら、画像編集ソフトは本当に必要?
A: はい、必要です。サムネイル作成、テロップデザイン、素材加工など、動画の品質向上に直結します。
Q2: Photoshop CS6の中古版を購入しても大丈夫?
A: 中古ライセンス販売は禁止されているため、売られているのは全部「ライセンスを無視した販売」です。推奨しません。
Q3: 無料ソフトだけで動画編集の画像作業は完結できる?
A: 基本的な作業は可能ですが、効率性や機能面で有料ソフトに劣る場合があります。
Q4: Elementsと通常のPhotoshopの最大の違いは?
A: Photoshop ElementsはトーンカーブやCMYKが使えませんが、動画編集用途では大きな問題になりません。
8. まとめ:2025年のベストチョイス
動画編集者向け推奨パターン
初心者・予算重視の方
- Photoshop Elements 2024(買い切り19,580円)
- GIMP(無料)との併用
中級者・効率重視の方
- Adobe フォトプラン(月額2,380円)
- 最新AI機能活用でワークフロー効率化
プロ・本格運用の方
- Adobe Creative Cloud コンプリートプラン(月額6,480円)
- 動画編集ソフトとの完全連携
最終的な選択指針
買い切り版のCSシリーズは10年以上前に販売が終了しており、サポートも完全に打ち切られているため今から旧バージョンを買うメリットは皆無です。
2025年現在、動画編集を学習する皆さんには:
- 予算が限られている場合:Photoshop Elements + 無料ソフト
- 継続学習を想定している場合:Adobe サブスクリプション版
- とりあえず試したい場合:無料ソフト(GIMP、Photopea)から開始
を推奨します。
重要なのは、ソフト選びよりも実際に手を動かして学習することです。まずは無料体験版や無料ソフトから始めて、自分のワークフローに最適なツールを見つけてください。
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