要点まとめ
無料動画編集ソフト選びで迷っている方へ: 動画編集ソフトには非常にたくさんの種類がある中、初心者にはiMovie(Mac)、Clipchamp(Windows)、中級者にはDaVinci Resolve、高機能を求める方には**Adobe Premiere Pro(無料体験版)**がおすすめです。
はじめに:2025年の動画編集フリーソフト事情
SNSでの動画投稿が当たり前となった今、動画編集スキルの需要はますます高まっています。YouTubeへの投稿、TikTokでのショート動画、結婚式のムービー作成など、動画編集は私たちの日常生活に深く浸透しています。
しかし、「動画編集を始めたいけど高額なソフトは買えない」「どのフリーソフトを選べば良いかわからない」という声をよく聞きます。実は、高品質な編集が可能な無料ソフトは数多く存在します。
本記事では、動画編集初心者から中級者まで、目的とスキルレベルに応じた最適なフリーソフトを詳しくご紹介します。
動画編集フリーソフトとは?基礎知識
動画編集ソフトの定義
動画編集ソフトとは、カメラやスマートフォンで撮影した動画やインターネットでダウンロードした動画素材などをパソコン上で編集するためのソフトウェアのことを指します。
簡単に言うと、動画を自分の好きなように作り変えるために動画を:
- 切ったり(カット・トリミング)
- つなげたり(結合・連結)
- 文字や音をつけたり(テロップ・BGM追加)
して、特別な動画を作れるツールです。
フリーソフトの特徴とメリット
メリット
- コスト0で始められる:初期投資なしで動画編集にチャレンジ可能
- 学習機会の提供:動画編集のスキルは、趣味だけでなく仕事にも活かせる汎用性の高いもの
- 実験と練習に最適:有料版購入前のお試しとしても利用可能
注意点
- 機能制限:有料版と比べて一部機能が制限される場合がある
- 学習コスト:使いこなすまでには一定の時間と努力が必要
- サポート体制:有料版のようなサポートが受けられず、使い方を自分で根気強く調べなければならない面も
動画編集フリーソフトの選び方|5つの重要ポイント
1. 対応OS(オペレーティングシステム)の確認
まず最初に確認すべきは、お使いのパソコンのOSです。
Windows向け
- Clipchamp
- DaVinci Resolve
- Shotcut
Mac向け
- iMovie
- DaVinci Resolve
- OpenShot
両OS対応
- DaVinci Resolve
- OpenShot
- Shotcut
2. 必要な基本機能をチェック
動画編集において、トリミング・テロップの挿入・色や明るさの補正・再生速度の変更・トランジションの5つの機能は欠かせません。
機能 | 説明 | 重要度 |
---|---|---|
トリミング | 動画を切り貼りすること | ★★★★★ |
テロップ挿入 | 文字やタイトルの追加 | ★★★★★ |
色調補正 | 明るさや色味の調整 | ★★★★☆ |
再生速度変更 | スローモーション・早送り | ★★★☆☆ |
トランジション | フェードイン・アウトなどの演出効果 | ★★★☆☆ |
3. パソコンのスペック要件
動画編集は扱うデータが非常に大きいため、パソコンに負担のかかる作業となります。
推奨スペック
- CPU: Intel Core i5以上 / AMD Ryzen 5以上
- メモリ: 8GB以上(16GB推奨)
- ストレージ: SSD 256GB以上
- グラフィック: 専用グラフィックカード推奨
スペックを満たしていないパソコンで動画編集を行うと、ソフトが起動しなかったり、動作が非常に遅かったり、たびたびフリーズするということが発生し、非常にストレスの多い作業になってしまいます。
4. 出力形式と解像度
制作した動画をどのように活用するかによって、必要な出力形式が異なります。
主要な出力形式
- MP4: YouTube、SNS用(最も汎用性が高い)
- MOV: Apple製品との互換性が高い
- AVI: 高品質だがファイルサイズが大きい
解像度の種類
- 4K (3840×2160): 最高画質、プロ仕様
- フルHD (1920×1080): 標準的な高画質
- HD (1280×720): 軽量、初心者向け
5. エフェクトとテンプレートの豊富さ
トランジション(場面転換効果)やテキストエフェクト、フィルターなど、豊富なエフェクトを備えているソフトは表現の幅が広がります。
【厳選】おすすめ動画編集フリーソフト10選
🥇 1位:iMovie(Mac専用)

対象ユーザー: Mac初心者 評価: ★★★★★
特徴 iMovieはAppleが提供する、直感的で初心者にも優しい動画編集ソフトです。MacやiOSデバイスに標準でインストールされているため、Appleユーザーには特に身近な存在です。
主な機能
- 直感的な編集(カット、トリミング、BGM追加)
- 11種類のアニメーションスタイルタイトル
- 高度な編集・エフェクト(グリーンスクリーン、スローモーション、ピクチャ・イン・ピクチャ)
- テンプレートとトランジション
メリット
- Macに標準インストール済み
- 無料かつ操作が簡単なので、多くのMacユーザーに愛用されています
- 完全無料でロゴなし
デメリット
- Mac専用(Windowsでは使用不可)
- テキストデザイン機能が限定的
🥈 2位:DaVinci Resolve
対象ユーザー: 中級〜上級者 評価: ★★★★☆
特徴 DaVinci Resolveは、Blackmagic Designが開発した非常に高機能な動画編集ソフトウェアです。プロフェッショナル向けのツールとして知られており、映像制作のさまざまなニーズに応えることができます。
主な機能
- プロレベルのカラーグレーディング
- マルチカメラ編集
- オーディオポストプロダクション
- モーショングラフィックス(Fusion)
- 8K編集対応
メリット
- 基本機能が無料で利用でき、必要に応じて有料版(DaVinci Resolve Studio)にアップグレードすることも可能
- ハリウッド映画でも使用される高機能
- ロゴなし、時間制限なし
デメリット
- 初心者には操作が複雑
- 高スペックPCが必要
🥉 3位:Clipchamp(Windows標準)
対象ユーザー: Windows初心者 評価: ★★★★☆
特徴 Clipchampは、Microsoft社が提供している無料で使える動画編集ソフトです。ブラウザを使って動画編集できるオンライン版と、Windowsパソコンにインストールして動画編集するアプリ版があります。
主な機能
- 基本的なカット編集
- BGM音楽、テキストテロップ
- エフェクト、トランジション
- 画面録画、縦動画対応
- クロマキー合成
メリット
- Windows11に標準インストール
- 無料版で透かし(ロゴ・ウォーターマーク)なし、フルHD1080pでの書き出し
- 初心者にもわかりやすい設計
デメリット
- テキストデザインの自由度が低い
- 無料版は4K出力不可
4位:OpenShot Video Editor
対象ユーザー: 初心者〜中級者 評価: ★★★☆☆
特徴 OpenShot Video Editorは、シンプルな操作画面で初心者でも簡単に動画編集を始められます。具体的には、ドラッグ&ドロップで動画や画像、音声ファイルを追加できるため、複雑な操作を覚える必要がありません。
主な機能
- クロスプラットフォーム対応(Windows/Mac/Linux)
- 400種類以上のトランジション
- 無制限のトラック数
- 3Dアニメーション
メリット
- 完全無料・オープンソース
- 豊富なエフェクト
- 多言語対応
デメリット
- 動作が不安定な場合がある
- 高度な機能は限定的
5位:Shotcut
対象ユーザー: 中級者 評価: ★★★☆☆
特徴 Shotcutは、Windows、Mac、Linux向けに無料で提供されている動画編集ソフト。基本的な編集機能はもちろん、高度な編集機能も搭載されています。
主な機能
- 160種類以上のファイル形式対応
- 多数のビデオ・オーディオフィルター
- 3ポイント編集
- ネイティブタイムライン編集
メリット
- 160種類以上のファイル形式に対応していることも嬉しいポイント
- 高機能でありながら無料
- オープンソース
デメリット
- 多機能な動画編集ソフトですが、操作が難しいため初心者にはあまりオススメできません
6位:Adobe Premiere Pro(無料体験版)
対象ユーザー: 上級者・プロ志向 評価: ★★★★★
特徴 業界標準として広く使われているAdobe Premiere Proは、7日間の無料体験版を提供しています。プロフェッショナルな編集環境で、映画やCM、YouTubeなど、あらゆるジャンルの動画制作に対応できます。
主な機能
- プロフェッショナルな編集環境
- Adobe Creative Cloudとの連携
- 高度なカラーコレクション
- マルチカメラ編集
メリット
- 体験版は機能制限がなく、フル機能を試すことができます
- 業界標準ソフト
- 豊富な学習リソース
デメリット
- 7日間限定
- 継続利用には月額課金が必要
- 高スペックPC必須
7位:Canva(ブラウザ版)
対象ユーザー: 初心者・ビジネス用途 評価: ★★★☆☆
特徴 Canvaの無料動画エディター&メーカーは、ドラッグ&ドロップ操作で、簡単な録画、クリップ、オーディオ、アニメーションのライブラリーを使用して、魅力的な動画を作成できます。
主な機能
- 豊富なテンプレート
- ストック素材(動画・音楽・画像)
- チーム共同編集
- SNS最適化
メリット
- ブラウザで動作(インストール不要)
- デザインテンプレートが豊富
- チームでの共同作業が可能
デメリット
- 高度な編集機能は限定的
- インターネット接続が必須
8位:VSDC Free Video Editor
対象ユーザー: 中級者 評価: ★★☆☆☆
特徴 Windows専用の無料動画編集ソフト。プロ版もありますが、無料版でも基本的な編集機能を利用可能です。
主な機能
- 非線形編集
- 色補正・カラーグレーディング
- モーショントラッキング
- 360度動画編集
メリット
- 高機能な無料版
- ロゴなし
- 豊富なエフェクト
デメリット
- インターフェースが複雑
- 学習コストが高い
9位:HitFilm Express
対象ユーザー: 中級〜上級者 評価: ★★★☆☆
特徴 ハリウッド映画レベルのVFX(視覚効果)を作成できる無料ソフト。
主な機能
- 400以上のVFXエフェクト
- 3Dコンポジット
- グリーンスクリーン
- モーショントラッキング
メリット
- 映画級のVFX機能
- アクション動画に最適
- 無料でハイクオリティ
デメリット
- 日本語対応なし
- 高スペックPC必須
10位:Lightworks
対象ユーザー: 上級者 評価: ★★☆☆☆
特徴 初めて開発されて以来25年も経ってずっと好評されている動画編集フリーソフトで、初心者にも経験者にも愛用されている。有名な映画でもこのソフトで作成されるようである。
主な機能
- プロフェッショナル編集機能
- リアルタイムエフェクト
- マルチカム編集
- 高度なカラーコレクション
メリット
- 無料な音声と画像素材がたくさん内蔵され、自由に利用できる
- 映画制作レベルの機能
デメリット
- 動画編集について基礎的な知識がない方にとって、使い慣れるまでの時間がやや必要
- フルHD出力は有料版のみ
用途別おすすめフリーソフト
YouTube動画制作向け
推奨: DaVinci Resolve
- 4K対応
- 豊富なカラーグレーディング
- サムネイル作成機能
- 長時間動画に対応
TikTok・ショート動画向け
推奨: Canva
- 縦動画対応
- SNS最適化テンプレート
- 短時間での編集が可能
- エフェクト・音楽素材が豊富
結婚式・イベント動画向け
推奨: iMovie(Mac)/ Clipchamp(Windows)
- テンプレートが豊富
- 初心者にも使いやすい
- BGM挿入が簡単
- 感動的なエフェクト
ビジネス・プレゼン動画向け
推奨: Canva / Adobe Premiere Pro(体験版)
- プロフェッショナルな仕上がり
- テキストアニメーション
- 画面録画機能
- 企業ブランディングに対応
ゲーム実況向け
推奨: DaVinci Resolve / HitFilm Express
- 画面録画機能
- リアルタイムエフェクト
- マルチトラック編集
- クロマキー合成
動画編集フリーソフトの制限と対処法
よくある制限事項
制限項目 | 内容 | 対処法 |
---|---|---|
透かし(ウォーターマーク) | ソフト名やロゴが動画に表示 | ロゴなしソフトを選択 |
出力時間制限 | 5-10分までの制限 | 動画を分割して編集 |
解像度制限 | HD画質までの制限 | 4K対応ソフトの選択 |
エフェクト制限 | 基本エフェクトのみ | 外部素材の活用 |
サポート制限 | 公式サポートなし | コミュニティ・チュートリアル活用 |
制限を回避する方法
1. 複数ソフトの併用
- 編集:DaVinci Resolve
- エフェクト:HitFilm Express
- 最終調整:iMovie
2. 外部リソースの活用
- 無料音楽:YouTube Audio Library
- 無料映像素材:Pixabay、Pexels
- フリーフォント:Google Fonts
3. 段階的なスキルアップ
- 初級:iMovie/Clipchamp
- 中級:DaVinci Resolve
- 上級:Adobe Premiere Pro
初心者向け動画編集の始め方
Step 1: ソフトの選択とインストール
Macユーザー
- iMovieを起動(プリインストール済み)
- 初回セットアップを完了
Windowsユーザー
- Clipchampを起動(Windows11標準)
- Microsoftアカウントでサインイン
Step 2: 基本操作の習得
必須習得項目
- プロジェクト作成:新規プロジェクトの設定
- 素材インポート:動画・画像・音声の取り込み
- タイムライン編集:素材の配置と調整
- 基本カット:不要部分の削除
- 書き出し:完成動画の保存
Step 3: 段階的スキルアップ
第1段階(1-2週間)
- カット編集
- BGM追加
- 基本的なテロップ
第2段階(1-2ヶ月)
- トランジション効果
- 色調補正
- 音声調整
第3段階(3-6ヶ月)
- エフェクト活用
- 複数トラック編集
- アニメーション
よくある質問(FAQ)
Q1: 完全無料で使えるソフトはありますか?
A: はい、以下のソフトは完全無料で使用できます:
- iMovie(Mac)
- DaVinci Resolve
- OpenShot
- Shotcut
Q2: 動画にロゴが入らないソフトはどれですか?
A: 無料版でもロゴの透かしがなく、そこそこ高い画質で出力できるソフト:
- iMovie
- DaVinci Resolve
- Clipchamp
- OpenShot
Q3: 初心者には何がおすすめですか?
A: OSによって以下を推奨:
- Mac: iMovie
- Windows: Clipchamp
- 高機能希望: DaVinci Resolve
Q4: 4K動画は編集できますか?
A: 以下のソフトが4K編集に対応:
- DaVinci Resolve
- Adobe Premiere Pro(体験版)
- HitFilm Express
Q5: スマホで撮った縦動画は編集できますか?
A: 縦動画(9:16)対応ソフト:
- Canva
- DaVinci Resolve
- Adobe Premiere Pro
- Clipchamp
まとめ:あなたに最適な動画編集フリーソフトの選び方
動画編集フリーソフトの選択は、使用目的、スキルレベル、使用OSによって決まります。
最終推奨
初心者の方
- Mac:iMovieから始めて、慣れてきたらDaVinci Resolve
- Windows:Clipchampから始めて、慣れてきたらDaVinci Resolve
中級者以上
- DaVinci Resolveで本格的な編集を習得
- 必要に応じてAdobe Premiere Proの体験版を試用
ビジネス利用
- Canvaでテンプレートを活用した効率的な制作
動画編集は継続的な学習が重要です。まずはフリーソフトで基礎を固め、必要に応じて有料ソフトへのステップアップを検討することをおすすめします。
今すぐ始められること
- 自分のOSに対応したソフトをダウンロード
- YouTubeでチュートリアル動画を視聴
- 短い動画(30秒-1分)で練習開始
動画編集のスキルを本格的に身につけたい方には、デジタルハリウッド(デジハリ)のオンラインスクールがおすすめです。フリーソフトで基礎を学んだ後、さらなるスキルアップを目指す際の選択肢として検討してみてください。
動画編集の世界への第一歩を、ぜひフリーソフトから始めてみてください。あなたの創造力を形にする素晴らしいツールが、無料で手に入る時代なのです。
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